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2008年2月16日 (土)

ビブラート・2 歴史

オーケストラのノン・ビブラートを否定している人達がいる。彼等の中にこのように言う人がいる、「もし20年代までビブラートをかけていなかったとすれば、25年の録音で聞けるビブラートはうますぎる。そんなに簡単ではないのに。昔から使用していなかったらこんなのは無理だ。」

このような発言には、前回も書いたように、ビブラートはソロで弾く時は使用されていたのである。したがってオケで使用するようになった時、すでにメンバーは皆、慣れた手つきでビブラートを導入したであろう、と答える以外にない。

そして上記のような発言する人達に気づいて欲しい事がある。それはビブラートの歴史である。

ビブラートの歴史は長い。それはそうだろう。人が歌えばビブラートは自然にかかるのだから。ただし、そのような自然な声の揺れは今日のオペラ歌手が使うような、ビブラートとはまったく別物である事(早く、音程の揺れ幅も大きい)は思い出していただきたい。

ビブラートの歴史を考える時に大事な点は2つ。

1.どのような物であったか

2.どのように使われていたか

の2点である。

1.ははっきりとは解らないようだ。それはそうだろう、何処の誰が、「一秒間に手首を3往復し、音程の揺れ幅は3/4音」とかいうような説明をするだろうか?

ただし19世紀初頭の教則本に1/4音の1/4以上の揺れ幅があってはならないという記述があると言う事は昔教えられた。

さらに、あごで楽器を押さえる習慣は18世紀後半もしくはそれ以降になってようやく定着というか流行ったと言う事実がある。したがってそれ以前は当然激しいビブラートは使用が難しかった事は想像に難くない。

では20世紀のビブラートはどうだろうか?1900年と1999年のビブラートは同じなのだろうか?1950年代と2000年代で変化はないのだろうか?

答えはYESである。変化はあるのである。

ブラームスの友人であった偉大なバイオリニスト・ヨアヒムの最晩年の演奏が、CDに復刻されている。彼のビブラートを誰でもいい、現役の人のものと比較すれば一聴瞭然である。バイオリンだけではない、世紀の大テノール、カルーソとアラーニャを比較してみよう。全然ちがう。

さらに、50年代のベルリンフィルの録音を今のベルリンフィルの録音を聞いてみていただいてもいい。かなり違う。

2-3週間前にTVでベルリンフィルがサイモン・ラトルの指揮でブラームスの4番交響曲、と2重協奏曲を演奏していた。私はまさに、驚愕してしまった。彼らのビブラートはかって聞いたことがないほどに早く、大きかったのである。あれに比べれば、カラヤン時代のビブラートなど、あってないようなものである。若かりし頃のパールマンのそれよりも早く、大きいのである。

20世紀だけを見てもビブラートは変化・変貌を遂げている。

以上のような事を考えるにつけ、一体何を根拠に現在の普通のビブラートが100年以上前にすでに使用されていたと信じる事が出来るであろうか。使われていた、いないというだけの問題ではないのである。

2.どのように使用されていたか

これが大事である。

これに関しては次回に。

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