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2008年2月10日 (日)

ビブラート・1、ノリントン氏の証言

最近はもう珍しくもなくなってきたが、10年前では考えられなかった事がある:

ビブラートを抑制もしくは未使用で演奏するという行為である。

古楽復興運動のパイオニアである、アーノンクール、ノリントン、パロットやヘレヴェッへらの活動・活躍のおかげである。彼らの演奏の成功が、古楽器奏者ではない、通常の演奏者へ与えた影響は大きく、アバド、ジンマン、ラトル、さらには金聖響などの指揮者は多かれ少なかれ古楽演奏方法論を取り入れて演奏している。

しかしどうやらビブラートの使用に関しては、意見が分かれているようだ。誤解もあるように思われる。モーツアルトやベートーベンまではビブラートの使用は抑制もしくは未使用でも、ロマンは以降の曲についてはありえないというような意見である。シューベルト、シューマン、ブラームス、ブルックナー、マーラーなどである。

果たして本当にそうなのであろうか?

ロジャー・ノリントンとシュテュットガルト放響の来日公演を聴かれた方はブラームスやサリバン、またはメンデルスゾーンやベートーベンそしてヴォーン・ウィリアムスがビブラート無し(以下ノン・ビブラート)で演奏されたのをお聞きになられたでしょう。

なぜ彼はそんな事をするのか?

ノリントン氏:1920年頃まではオーケストラはビブラートを使わなかった。したがってブラームスはおろか、マーラー、ベルグ、ドビュッシーすらオケがビブラートを使うなんて想定外さ。徐々に増えていったんだ。

証拠は?

ノリントン氏:録音さ。世界中回って色々なオケのアーカイブや放送録音、市販された音源、市販されなかった音源を聞いたよ。300以上は聞いている。でも1920年以前の録音からはビブラートは聞かれなかった。フィラデルフィアで指揮した時言われたんだ、「このオケの歴史上始めて、ノン・ビブラートで演奏した」ってね。だから教えてあげたんだ、いやいや、君のところの古い音源にノン・ビブラートのがあるよってね。もう聞いていたから知ってたんだ。後で、「ほんとにあった」って言ってきた。びっくりしてたよ(笑)

でもビブラートを使っている演奏家の録音はあるじゃないですか。

ノリントン氏:勿論、ソリストは使っていた。ビブラートは装飾音の一つなんだから。でもオケで弾く時は使われなかったんだよ。当然、ソリストになれなかったオケマンだってビブラートを使用したでしょう、一人で弾く時はね。あくまでオーケストラは使用しなかったと言っているんだよ。

ノリントン氏:あとね、カルーソとかの伴奏をしているオケがビブラートを使っているじゃないかって、よく言われるんだけどね。あの伴奏はオケじゃぁない。よくて2人か3人しかバイオリンいないんだよ。それでね、当時の録音技術では、ビブラートでもかけて音をもっとフルにしないと音がはいらないんだ。他にどんな方法が彼らにあったって言うんだね。

結びにあたり、氏はこう言われた:

私が間違っていると言うなら、論破してください。証拠を見せてください。私は喜んで間違いを認めますよ。でもね、ノン・ビブラートの演奏をもう30年位して来た。。。正しいからじゃぁない。。。美しいからなんだ。私はね、信じているんだよ、このサウンドを、

ピュア・トーンの美しさを!

注:ノリントン氏はノン・ビブラート音をピュア・トーンと呼んでいます。

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