フォト
無料ブログはココログ
2021年3月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

« 2008年2月 | トップページ | 2008年6月 »

2008年3月

2008年3月26日 (水)

アーティキュレーション

日本語だと何と言うのかしら?

アーティキュレーションとはつまり、音と音を繋げないずに弾く事である。

例えばドレミレドという音型があるとしよう。そしてそれが5回も6回も繰り返し弾かれる事にする。さらに、この音型はバイオリンが弓一振りで演奏する事にしよう。

ドレミレド ドレミレド ドレミレド ドレミレド ドレミレド ドレミレド ドレミレド ドレミレド                                  

     ↑     ↑     ↑     ↑

矢印で示したドとドの間に微妙な、ほんのわずかな空間、無音の状態を作り出す事をアーティキュレートするということになります。この空間は勿論

ド レ ミ レ ド

のように全ての音と間にいれてもOK。これもアーティキュレートすることです。

これらを総称して

アーティキュレーション

と言います。

さてピリオド奏法というとこのアーティキュレーションが絶え間なく聞かれます。これは現代の奏法とは基本的に間逆な発想です。なぜならレガート(音を繋げて弾く)こそもっと大事な演奏方法の一つだからです。

ここ2つの事が問われる。

1.上記の空間というか、無音の長さとはどれくらいなのか?

2.なぜそのようなレガートでない奏法が使われていたのか?

まず2から答えよう。

バロック弓で普通に弾くと、音が自然に譜面に書いてあるより短くなるのである。

ダウン弓(下げ弓)の場合はディミニュエンド)が自然にかかり、アップ弓(上げ弓)の場合はクレッシェンドが伴います。ディミニュエンドが自然にかかるので、弓をアップで返す前に音は消えてしまいます。さらに、アップ弓は音が出始めるのが遅いのです。つまり弓を動かした瞬間は音がない、もしくは殆ど音が無い状態。そして出始めの音は基本的には小さく、クレッシェンドを伴いながら音が出てくるのです。

このディミニュエンドとクレッシェンドの間に無音空間が自然に出来てしまいます。

そして当時はこの上げ下げの繰り返しがスタンダードでありました。

ただし、この無音状態は(1.の答えです。)非常に短い。本当に微妙であります。

しかしこの短い音というのが一人歩きしているのが現実のようです。モダン弓の奏者はピリオド奏法と称して、もしくは思い込んで、短きゃ良いんでしょ的にひたすら音を短く弾く傾向があるります。その為、頻繁にOff the String、つまり、弓を弦の上でぴょンぴょン跳ねさせながら弾くのです。

これが間違いの元です。

なぜなら当時の演奏習慣によれば、On the String、つまり、弓を弦の上にのせて弾くのが普通だったからです。所が、モダンの弓でこれをするとバロック弓のようなディミニュエンド・クレッシェンド現象が起きません、もしくは極々わずかしか生まれません。つまり、アーティキュレーションそのものが生まれない。

モダン奏者には、2つの選択肢しか残されていないのでしょうか?

誰かさんの録音のように(超ベストセラー・モダン楽器ベートーベン交響曲全集)、Off the stringで殆ど全ての音を短く弾き、4分音符も8分音符も16分音符も全部同じ長に聞こえるように弾くのか、

アーティキュレーションが殆ど無いという(つまり音が長すぎる)以外は正しく弾くのか、

2社択一。

しかし本当にそうなのでしょうか?

バッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明先生とお話をさせていただいた時、先生は、「モダン(弓)では、バロック弓のニュアンスは出せないよ、無理」っと言っておられました。

しかし本当にそうなのでしょうか?

答えはYesでもあり、Noでもあります。

次回はモダン弓でさらにバロック弓のニュアンスを出すための解決策を探求します。

2008年3月 7日 (金)

ピリオド奏法

Historically Informed Performanceと英語では言います。

日本語直訳の「歴史的な情報を施された演奏・奏法」というのは長すぎるので、ピリオド奏法と言う名前が定着したのだろうと思います。しかし何の事だか分からないと言うのが現状でしょう。

ピリオド(時代)と言う訳が適当かどうかは分かりませんが、つまり、作曲者の生きていた時代(ピリオド)の演奏方法(奏法)と言う事です。

個人的には奏法と言い方がちょっと気になります。なぜならHistorically Informed Performanceというのは、楽器の奏法のみならず、オケのサイズや、各楽器の配置位置、さらに楽器間のバランスなども含んでいるからです。ですからまず、ピリオド奏法というのは、音楽を演奏する時に関わってくる多くの問題を、作曲家が生きていた当時の演奏状況・状態を視野にいれて演奏する行為だと理解してください。

最近はそのような、ピリオド奏法を用いた演奏は珍しくもなくなってきました。例えば、今時バッハや他のバロックの曲を100人編成のオケで演奏する事は本当に稀です。

ビブラートも少なく、音符は表記されているものよりも、短めに演奏されます。

ただ個人的に気になるのは、部分的にしかピリオド奏法を取り入れていなかったり、また、完全に勘違いしているとしか思えないような演奏すらも、ピリオド奏法と呼ばれている現状です。

こういった演奏は、厳密に言えば、ピリオド奏法に触発された演奏です。その行為自体は、創造的・想像的であり、なんら問題はないのですが、やはり区別をするべきではないでしょうか?この区別が無いと、この先、一層の混乱を招いてしまう気がします。

そうした状況を避けるささやかな抵抗をここでは、これからしばらくの間試みたいと思います。

« 2008年2月 | トップページ | 2008年6月 »